カートといえば、車好きの人でも
「子供のおもちゃじゃないのか」と口にすることが多いです。
カートの存在は聞いた事があっても
カートがどんなものなのかは
知らない方が多いようです。
そこで、カートとはどのような乗り物で
どのような特徴があるのかを改めて説明します。
カートのポイント
カートのポイントを簡単にまとめると
シンプル、軽量、コンパクトな本格レーシングマシンです。
特徴は
・レスポンスはダイレクトで速く、コーナリングは迫力満点。
・コントロールはしやすいが、速く走行するには学びが必要。
・体感速度は実際の速度の3倍程度になります。
・レースでは追い越し(オーバーテイク)がよく行われる。
・低予算。
・年齢層は小学生から、高齢の方まで楽しめます。
(身長制限のあるカート場もあるので確認してみて下さい)
カートは基本的にシンプルな筒状のフレームに
エンジンとタイヤを搭載しただけのマシンです。
ギアボックスもサスペンションも
ドライバーをカバーするボディもない。
運転に絶対必要な部品と一部の安全装置だけです。
カートは、エアロパーツをつけたり
エンジンの排気量を大きくしたりして
スピードを上げるのではなく
余計なパーツをすべて省き
小型・軽量化するという「引き算」で
作られたレーシングマシンです。
シンプルな構造で軽量なカートは
あらゆる操作に極めてダイレクトかつ迅速に反応します。
ドライバーの操作に遅れることなく反応し
素早く停止し、方向転換し、加速する。
意のままに動くマシンでレース場を
走る楽しさは格別です。
また、カートは強力なグリップ力がある
レーシングタイヤを装着しています。
最高速度は65km/h程度ですが
体感速度は実際の速度の3倍なので
200m/h近い感じがします。
カートの操作
カートの操作は、基本的にハンドル、アクセルペダル、
ブレーキペダルの3つだけです。
遊園地にあるゴーカートと同じです。
ただ走るだけなら、これほどシンプルなクルマはありません。
しかし、レーシングスピードで走らせるのは簡単ではありません。
速く走る
最初に問題になるのは高速性です。
シートに座るライダーの目線は
立っている人の腰と同じ高さになります。
目線が低いため、走行時の知覚速度は
実際の速度の2〜3倍に感じられるのです。
この別世界のようなスピード感の中で
ライダーは俊敏なマシンを敏感に
コントロールしなければならないのです。
次に、身体的な負担です。
コーナリングが非常に速いカートでは
ドライバーは強い横Gにさらされます。
また、サスペンションやダンピングのないカートは
路面の振動や衝撃がそのままドライバーに伝わってしまいます。
5分も真剣に運転すれば
初心者のドライバーは疲れます。
カートはフィジカルスポーツ"なのです。
そんなマシンでのドライビングの楽しさは抜群です。
そして、レースとなれば、カートの楽しさはさらに大きくなる。カートは、ストップ&ゴーの機敏なマシンなので、追い抜くのはとても簡単です。追い越しと追い越しのバトルが存分に楽しめる。初めてカートレースを見る人は、そのポジションチェンジの多さに驚くかもしれない。
さらに、本格的なモータースポーツが安価で楽しめるのもカートの魅力です。車よりもずっとシンプルな機械なので、購入やメンテナンスなどにかかる費用はずっと低く抑えられます。基本的なメンテナンスはドライバーで行えるので、専門のメカニックを雇う必要はありません。カートを使えば、一般的なサラリーマンの収入でスポーツ走行やレース活動をすることも十分可能です。
JAFが発行するカートライセンスは8歳から取得可能です。また、低年齢層向けには、4歳から参加できる「キッズカート」があり、各地でカートスクールやレース形式のイベントを開催しています。
一方、カートには年齢制限がなく、70歳になってもレースを楽しんでいるドライバーもいます。カートでも女性ドライバーが活躍しており、2019年の全日本カート選手権では、2名の女性ドライバーが優勝しています。
カートはシンプルで簡単だけど、速くて難しくて奥が深い。これが、カートにハマる人が多い秘密なのでしょう。年齢や性別に関係なく楽しめ、趣味のグラスルーツ・レースから最高峰のトップカテゴリーまで、幅広くカバーしています。それがカートの醍醐味です。